簡単にわかる技能実習制度【外国人人材の確保を考えている方へ】

技能実習制度は、日本が今までに築いてきた技能や技術を途上国へ教授し、途上国の経済発展のために人材育成を行う制度です。そして、技能実習生を受けた外国人は、技能実習終了後には、本国へ戻り、身につけた技術を基に本国の経済発展に貢献する流れになります。つまり、あくまで教育実習のような技能を身につける制度であり、法律でも「技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない」と規定されています。

入管法(現在では技能実習法)では、技能実習1〜3号があり、その中でも技能実習イ(企業単独型=海外にある関係企業の社員を受け入れ)と技能実習ロ(団体管理型=営利目的としない団体の管理で受け入れ)があります。なお、技能実習ロにある「監理団体」は入管上の許可を受けなければならない。

技能実習 対象職種

技能実習については、83種151作業の種類があります。 *下記の拡大版ver

技能実習生を受け入れるまでの流れ

  • 外国の機関と監理団体の契約
  • 受入企業(日本の実習機関先)が監理団体へ技能実習生の受け入れ申し込み
  • 海外機関において、外国人技能実習生の選考
  • 外国人技能実習生と受入企業(日本の実習機関先)との間で雇用契約を結ぶ
  • 受入企業(日本の実習機関先)へ技能実習計画の認定申請
  • 在留資格認定証明書交付申請
  • 在外公館において査証(ビザ)の発給申請
  • 外国人技能実習生の入国
  • 実習実施者(日本の実習機関先)による外国人の就労開始の届出
  • ハローワークへの届出

*外国人技能実習機構とは?

上記の期間は、技能実習計画の認定、監理団体への報告要求や実施検査、技能実習生に対する相談や援助、転職の支援を行う期間である。

受入機関(=日本の実習機関先)の役割

技能実習を行わせる事業者は、その事業所ごとに責任者を線にしなくてはいけません。責任者には3つの種類があります。なお、兼任はできます。

  • 技能実習責任者

・要件としては、①実習実施者又はその常勤の役職員である者、②技能実習指導員、生活指導員その他の技能実習に関与する職員を監督できる立場にある者、③過去3年以内に技能実習責任者に対する講習を修了した者

・職務としては、技能実習計画の作成、届出や報告などの手続き、実習生が取得した技能等の評価や保護、労働条件に合致したような環境であるか確認、監理団体との連絡調整に関することがある。

  • 技能実習指導員

①実習実施者又はその常勤の役職員である者のうち、技能実習を行わせる事業所に属する者、②修得等をさせようとする技能等について5年以上の経験を有する者

  • 生活指導員

実習実施者又はその常勤の役職員である者のうち、技能実習を行わせる事業所に属する者

  • 管理責任者

監理団体の常勤の役職員である者、監理団体の事業所に所属する者、監理責任者の業務を適正に遂行する能力を有する者、過去3年以内に監理責任者に対する講習を修了した者のいずれか

  • 技能実習計画作成指導員

取扱職種について5年以上の実務経験を有する者、または、取扱職種に係る技能実習計画作成の指導歴を有する者

入国後の研修

技能実習1号の者は、入国後演習を受けなければ、基本的に就労することができません。

就労科目は、① 日本語、② 本邦での生活一般に関する知識、③ 出入国又は労働に関する法令の規定に違反していることを知ったときの対応方法その他技能実習生の法的保護に必要な情報、④ 上記の他本邦での円滑な技能等の修得等に資する知識がある。

また、時間数としては、技能実習1号の予定時間のうち、6分の1以上が必要。ただし、入国前講習を1ヶ月以上かつ160時間以上受講指定場合は12分の1以上となる。

なお、講習期間中において、監理団体は技能実習生に対して、日本で生活する上で必要となる額を講習手当として支払うことが相当であるとされている。

講習手当額は、①事前に講習手当額を本人に示し、監理団体が支払い、②その額は食費や生活上の費用を考慮して決定する。③監理団体は技能実習生に直接支払い、④監理団体が負担する費用を控除することはできない。

監理団体について

実習監理を行う監理団体は各大臣の許可を受ける必要があります。また、許可を受けた後も、管理責任者の指揮の下で、3ヶ月に1回以上の頻度で監査を実施しなければなりません。

監理項目は以下の通りになります。

・団体監理型技能実習の実施状況について実地による確認を行うこと
・技能実習責任者及び技能実習指導員から報告を受けること
・団体監理型実習実施者が団体監理型技能実習を行わせている団体監理型技能実習生の4分の1以上(2人以上4人以下の場合には2人以上)と面談すること
・団体監理型実習実施者の事業所においてその設備を確認し、帳簿書類その他の物件を閲覧すること
・団体監理型実習実施者が団体監理型技能実習を行わせている団体監理型技能実習生の宿泊施設
・その他の生活環境を確認すること

また、3ヶ月に1回以上の頻度で外部監査を実施する必要があります。

なお、技能実習制度には次のように管理費が法律で規定されております。

  • 職業紹介費
  • 講習費
  • 監査指導費

また、管理団体として許可受けていれば、厚生労働大臣の職業紹介業の許可がなくても、実習実施者と外国人技能実習生との間の雇用関係の成立のあっせんを業として行うことが可能です。

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