利用規約は作成しなくちゃダメ?【定型約款とは】

利用規約とは

利用規約とは、事業者が提供するサービスを不特定多数の人が利用する上で守ってもらいたいルールを記載したものです。

事業者が一方的に作成して、それを相手方に提示する形式で使われています。利用者は、このルールを確認して同意をしてからサービスを利用することが一般的になっており、同意を得ることで、当該利用規約は契約の一部となります。

契約書を作成して、利用する人ごとに同意を得ても変わらないのでは?と思う方もいるかと思います。ただ、不特定多数の人に合わせた契約書を毎回作成するには非常に大変ですし、利用者ごとに個別的に契約交渉をするのは現実的ではないです。また、スムーズにサービスを利用したい人にとっては、すぐにサービスを利用できないのは利便性に欠けます。そこで、統一的なルールを利用規約にして作成すれば、不特定多数のすべての利用者を同じルールで管理することができますので、事業者と利用者双方の負担を軽減することが可能です。

利用規約の要件

利用規約は民法上では、定型約款と呼ばれます。定型約款を契約の内容にするためには、以下のいずれかの手続が必要となります(民法548条の2第1項各号)

  • 双方が、定型約款(に該当する利用規約)を契約の内容とする旨の合意をすること
  • 定型約款を準備した者が、あらかじめその定型約款(に該当する利用規約)を契約の内容とする旨を相手方に表示すること

上記のいずれかの手続を行なった場合に、利用規約に記載されているすべての条文につき、契約当事者間で合意があったものとみなされます。

ただ、利用規約を作成する場合には、民法だけでなく、消費者契約法も守る必要があります。例えば、消費者契約法8条1項、同法8条の2、同法9条1項などは利用規約を作成する上で重要なので、事前に確認したほうがいいでしょう。

プライバシポリシーも利用規約に必要なの?

よく利用規約の作成時に「プライバシーポリシーや特定商品取引法の表示も作成しなきゃダメなの?」と質問されます。

結論から言うと、プライバシーポリシーは作成義務はありませんが、特定商品取引法の表記は原則作成義務です。(特定商品取引法の表記とは?

まず、プライバシーポリシーとはどういうものか?

一般的には、個人情報を利用する場合には、個人情報の利用目的を本人に伝える義務や②個人データの開示や訂正の手続きを公表する義務が必要になります。上記の利用目的やその他の手続きを定めるために、プライバシーポリシーを作成する方が多いです。

・個人情報保護法第18条

1 個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、前条の規定により特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない。

 個人情報取扱事業者は、合併その他の事由により他の個人情報取扱事業者から事業を承継することに伴って個人情報を取得した場合は、あらかじめ本人の同意を得ないで、承継前における当該個人情報の利用目的の達成に必要な範囲を超えて、当該個人情報を取り扱ってはならない。

・個人情報保護法第27条

個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。

個人情報の保護に関する法

上記の根拠として、個人情報保護法の一部を載せておきました。法律上では、利用目的とその他の手続きを記載するだけでいいですが、一般的には下記の情報はプライバシーポリシーに記載しています。

  • 開示や訂正の手続きを公表する義務
  • 事業者の名称、住所、法人代表者氏名
  • 個人情報の取得方法・利用目的
  • 個人データの第三者提供について
  • 個人データの利用停止等について
  • 個人情報の取扱いに関する相談や苦情の連絡先

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