行政書士登録してすぐの先生方におススメ【外国人ビザの書籍と注意ポイント】

最近、開業仕立ての行政書士の先生たちから「入管業務する際にどんな書籍が必要でしょうか!」とか「入管業務で注意すべきことは何か?」と質問されます。

そこで今回は私がおすすめする書籍・資料と注意すべきポイントを紹介します。基本的なことばかりなので知っていることもあるかと思いますが、復習のつもりで確認してみてください。

おススメ書籍

上記の書籍と資料は、入管業務を受ける上で必ず手元に置いておいた方がいいかと思います。特に詳説 入管法と外国人労務管理・監査の実務-入管・労働法令、内部審査基準、実務運用、裁判例-〔第3版〕注解・判例 出入国管理実務六法実務家のための 100の実践事例で分かる入管手続きには助けてもらっています。審査要領は毎年変わるので自分がよく受任する在留資格は確認必須ですね。判例集と不許可理由の通達は時間のある時に読んでおくといいかと思います。入管業務は確かに裁量範囲が広いのですが、あくまで入管が定めた範囲で審査が行われるので、条文以外にも触れることは必要かと思います。帰化申請の依頼があったら、必ず取れる日本国籍! 帰化申請ガイドはあった方がいいかと思います。ちょっと古い書籍なので、要件の部分は不安がありますが、書類の見本などが記載されていますので重宝してます。

入管業務で注意すべきこと

  • 署名(=サイン)と押印の重要性
  • 代理と取次の違い
  • 誓約書をもらう

入管に提出する申請書や雇用条件書には、本人や法定代理人の署名(サインのことです)が必要になります。サインとは言うまでもないですが、本人の手書きで書いてもらいます。記名は印字ですね。入管の場合には、本人に必ず署名をもらいましょう。実務上、署名代理1は有効とされていますが、入管申請する上ではやめた方がいいです。理由は省きますが、民事訴訟法228条4項「本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する」の規定は私達を守ってくれます。また、法人関係の書類には「法人印」を押印してもらいましょう。これは2段の推定という判例(昭和39年5月12日)に基づくもので、非常に重要な判例になっています。

また、「代理」と「取次」の違いについても理解しておきましょう。入管法上、在留資格の申請は「本人(法定代理人を含む)」しか申請できません。本人申請が原則となっております。行政書士は、行政書士法第1条の3第1項第1号で申請代理が認められていますが、入管法は本人しか申請できないと規定されているので、行政書士であっても入管へは申請代理はできません(ちなみに入管へ提出する書類作成代理は行政書士の独占業務なので可能です)。2

ただ、実務的には、入管への書類提出(申請代理のようなもの)は入管の届出をした行政書士(取次行政書士って呼ばれますね)は可能になってます。これはあくまでも、入管様のご厚意で、申請書や資料の提出等の事実行為3を行うことが認められているものにすぎません。そのため、行政書士等が行う入管への申請代理のようなものは、代理ではなく取次なので、記載内容を直接訂正等することはできませんことは頭に入れておいた方がいいでしょう。豆知識ですが、取次行政書士は職印を持っていれば、その場で訂正・削除が可能です(審査要領第9編11項)。実務は複雑怪奇ですね。

あと在留資格の依頼を受けるときには必ず「誓約書」をもらいましょう。私は、申込書と誓約書を同時に記載したものを自分で作成しており、これに依頼者からサイン(法人なら法人印)を必ずもらっています。コピーでなく、原本を必ず保管です(法人印の場合はコピーでもいいかなと思いますが、サインは必ず原本を保存しましょう)。申込書には①委任契約であること、②報酬額と報酬支払期日、③業務内容、④解除条項を記載してます。誓約書には①入管法の遵守、②虚偽や錯誤情報でないことなどを記載してます。私の場合は在留資格によって誓約書を少し変更してますね。

誓約書・申込書はこちらに連絡いただければ、購入(3300円+税)することも可能です。ちょこちょこ弄ってるので、実務にも耐えうるものかと思います。

  1. 代理人が本人の名前を書2段の推定ことを署名代理といいます。代理人である「花子」が本人である「一郎」の代わりに、契約書などの署名欄に【一郎】とのみ記載することです。親が子供の名前を直接書いた場合や、会社の代表者が法人名を直接書いた場合などで「署名代理」の有効であるが、委任状などで委任権限をもらう必要があります。 ↩︎
  2. 農地法3条とか読んでみると、申請者が特段規定されていないのでわかりやすいですね。 ↩︎
  3. 事実行為とは、人の精神作用を必要とせずに法律的行為を発生させる行為です。法律行為は、特許権など権利を行為者の意図と行為の結果が一致してるのに対し、事実行為は発明や加工(民法上)が当てはまります。 ↩︎

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