プロスポーツ選手のビザはどうすればいい?【在留資格の専門家が解説】

スポーツ事業をしている団体や知り合い(格闘関係者)から「プロ選手が日本で試合するんだけどどうやって呼べばいいの?どんな在留資格が必要になるの?」と聞かれることがあります。

特定技能や技術人文知識国際ビザでは無理そうだし、短期ビザだと報酬を渡せないしどうすればいいのだろうと困っている人が多いようです。確かに特定技能ビザや技術人文知識国際ビザではプロ選手は日本に呼べません。

今回はプロ選手の在留資格・ビザはどのようなものを取得すればよいか解説いたします。

どのような在留資格・ビザを取得すればいい?

基本的にプロスポーツ選手を呼ぶ場合には、下記のいずれかを取得することになります。これ以外は短期ビザで呼ぶことになります。

  • 興行ビザ
  • 特定活動(告示6号)

ただ、どちらかのビザを取得すればいいのではなく、ケースに応じてビザを取得する必要があります。では、どちらのビザを取得すればいいか詳細に解説します。

興行ビザを取得するケース

興行ビザとは、入管法で「演劇、演芸、演奏、スポーツ等の興行に係る活動又はその他の芸能活動(この表の経営・管理の項の下欄に掲げる活動を除く。)」と規定されています(在留資格該当性)。具体的には、①演劇、演芸、歌謡、舞踊又は演奏(以下「演劇等」という。)の興行に係る活動に従事、②演劇等の興行に係る活動以外の興行に係る活動(スポーツ興行選手(監督やトレーナーも)やファッションショー)、③芸能活動等(商品や事業の宣伝活動やレコーディングや写真撮影)を日本で行うための在留資格になります。なお、省令で興行ビザで活動するための適当性が規定されています(上陸許可基準)が、今回のようなプロ選手を呼ぶ場合には、演劇や演奏などの活動と異なり、省令に注意を払う必要はありません。というのも、プロ選手の場合、省令で「報酬が日本人と同等以上であること」が規定されているのみだからです。

興行ビザの話が長くなってしまいました。どのような場合にプロ選手が興行ビザを取得する必要があるのか。それは、企業や団体と契約関係にあるプロ選手であり、興行収入(その団体から)を得ている必要があります。実績はそこまで必要ありませんが、まったく実績がないと審査機関が長引く傾向があります。

具体的には、プロ球団と契約している野球選手や格闘技団体の契約している格闘家が挙げられます。

ちなみにプロ選手の指導員やインストラクターは、ケースにもよりますが「技能ビザ」を取得することが多いです。技能ビザを取得するには、指導の実務経験が3年以上等の厳しい要件が課されています。ただ、私が相談を受ける「格闘技プロ選手の興行ビザ」の場合、選手と一緒と一体となっている行動している場合が多く、セコンドなどに指導員がいる場合には、興行ビザで案内することが多いです。あと指導者が一緒に試合に出るケース(あまり聞きませんが)は、興行ビザを案内します。なお、通訳も興行ビザで来日可能です。

特定活動を取得するケース

特定活動を取得するケースは、実業団などの興行目的でなく、広報・宣伝のために活動している選手で、契約会社(スポーツを事業化していない)から給与報酬を得ている場合には、これらを利用することになります。実業団選手の場合にはこちらが当てはまるケースが多いです。ただ、昨今、スポーツ事業を事業化している会社も多いので、特定活動を案内することが少なくなってきている傾向があります。

また、プロ選手の特定活動ビザは少々要件が厳しく、契約会社がスポーツを事業化していないだけでなく、①選手が国際的な大会に出場したことがある、②報酬が月25万以上が必要になります。

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