医療滞在ビザとは?取得要件や必要書類を解説【親を日本に呼ぶには】
医療滞在ビザは、日本に中長期間滞在して、日本の医療を受けるための在留資格です。自分が日本の医療を受ける、または、本国にいる親族に日本の医療を受けさせる場合に使われる在留資格になります。
実務上、医療滞在ビザはという在留資格はなく、特定活動(25号)が医療滞在ビザにあたります。このビザを取得するには、どのような要件があるのか、必要な資料は何かを解説します。
※なお、短期滞在ビザでも医療目的で取得することは可能です。ただし、90日以上滞在することは不可能ですので、数年に渡って治療する場合には、医療滞在ビザを取得することをお勧めします。
医療滞在ビザの要件
まず、医療滞在ビザが法律上どのように位置づけられているか確認しましょう。
本邦に相当期間滞在して,病院又は診療所に入院し疾病又は傷害について医療を受ける活動および当該入院の前後に当該疾病又は傷害について継続して医療を受ける活動
出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき同法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動を定める件
つまり、医療滞在ビザの要件は下記の通りになります。
- 日本に相当期間(90日以上)滞在すること
- 日本での活動が「病院又は診療所に入院し疾病又は傷害について医療を受ける活動」及び「当該入院の前後に当該疾病又は傷害について継続して医療を受ける活動」であること
- 日本での滞在費用および治療費を自分(親族等を含む)で払えること
日本での活動が「医療を受ける活動」及び「入院の前後について継続して医療を受ける活動」であること
これは、医療滞在ビザを有している人は、病院又は診療所に入院して医療を受ける活動(退院後の継続治療のための医療を含む)しかできないことを表しています。そのため、就労することはもちろん、ホテルや家に住みつつ、病院に通院するのは認められません。短期ビザの場合には入院することまでは求めれていません。なお、これらの医療の必要性は、医師の診断書により判断されます。
例えば、胃がん患者の治療のために入院した場合、入院中はもちろん、退院後の経過観察のための通院する場合には継続治療のための医療と言えます。
また、疾病又は傷害には出産も含まれますので、就労している外国人が日本で出産する場合で、かつ、他の在留資格に該当しないときには、医療滞在ビザを使用することを考えます。
※医療を受ける人の同伴者もビザを取得することができます。
日本での滞在費用および治療費を自分(親族等を含む)で払えること
「日本の健康保険料で払うから問題ないでしょう」と思い、日本での滞在費用がそこまでなくても医療滞在ビザは取れると考える人もたまに弊社へのお問い合わせもあります。
ただ、医療滞在ビザで滞在される人は、「国民健康保険」に加入できないため、3割負担でなく、全額負担で医療費用を支払う必要があります。あくまでも、医療滞在ビザは医療を目的に一時的に日本に滞在できる資格であり、恒常的に生活する人の保険である国民健康保険に加入することは制度趣旨に反するものであるからと言われています。日本に居住することを目的としていないためです。ただ、民間医療保険に加入することはできますので、いろいろ確認してみましょう。
このように国民健康保険に加入できず、高額な医療費を自分らで負担する必要になるため、医療滞在ビザの要件として、日本での滞在費用や治療費を支弁できる能力が必要になるのです。
上記の費用の支弁ができるかどうかを証明するには、①通帳の写し、②医療保険の加入証、③病院などへの頭金で証明することが可能です。
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