特定商品取引法の表記とは?~ネット事業者が表示すべきこと~

特定商取引法は、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律です。 特に消費者トラブルの多い、消費者の自宅に伺って販売を行う「訪問販売」や雑誌やインターネットで広告し、商品の申し込みを受ける「通信販売」、エステサロンや語学教室などの特定継続的役務提供などの規定を定めています。

本法律の主な内容は、行政規制と民事ルールの二つに分けることができます。例えば、行政規制としては、氏名の明示義務や広告規制、不当な勧誘行為の禁止などを定めています。他方で、民事ルールでは、クーリングオフや意思表示の取り消し、損害賠償の額の制限を規定しています。

上記の規則に反すると、違反の内容にもよりますが、罰則規定があります。例えば、最大で3年以下の懲役や300万円以下の罰金などが規定されています。なお、法人だと3億円以下の罰金も規定されています。また、刑事罰だけでなく、改善命令や業務停止処分などの行政処分もあります。

このように特定商品取引法は非常に身近な法律であるため、インターネットを使って事業展開をしている事業者は、必ず目を通さなくてはいけない法律かと思います。

今回はその中でも、ホームページなどを利用している【通信販売事業】が、どのような事業が通信販売に該当するか、特定商品取引の何を守ればいいか、また、違反した際の罰則は何かを説明します。

通信販売とは

「通信販売」とは、販売業者又は役務提供事業者が「郵便等」によって売買契約又は役務提供契約の申込みを受けて行う商品、権利の販売又は役務の提供のことをいいます。

具体的には、新聞や雑誌、テレビ、インターネット上のホームページなどによる広告や、ダイレクトメール、チラシ等を見た消費者が、郵便や電話、ファクシミリ、インターネット等で購入の申込みを行う取引方法をいいます。

なお、「販売業者又は役務提供事業者」とは、販売又は役務の提供を業として営む者を意味します。業として営むとは、営利の意思を持って、反復継続して取引を行うことをいいます。なお、営利の意思の有無については、その者の意思にかかわらず、客観的に判断されることとなります。

つまり、ホームページで情報を公開している経営を行なっている事業者は、特定商品取引法の通信販売をに該当します。

具体的には何を守ればいいの?

では、具体的には何を守ればいいのでしょうか。下記に基本的な事項を挙げてみます。

  • 販売価格(送料も含む)
  • 代金の支払時期や方法
  • 商品の引渡時期
  • 申込みの期間
  • 契約の申込みの撤回又は解除に関する事項
  • 事業者の氏名や住所、電話番号
  • 販売価格、送料等以外に購入者等が負担すべき金銭があるときには、その内容及びその額
  • ソフトウェアに関する取引である場合には、そのソフトウェアの動作環境
  • 前払式通信販売であればその旨の承諾の通知

ただし、販売価格や送料などの金額を全て表示しているときは、代金の支払時期・方法、引渡時期、事業者の氏名や住所は消費者から請求された時に提供すればよく、また、通信販売は、契約時の重要事項を記載した書面の交付義務がありません。

なお、通信販売の場合、クーリングオフは定められていませんが、返品に関するトラブルは多いことから、事業者に責任の無い返品は受け付けないことを広告しない限りは、消費者からの無条件返品に応じる必要があります(15条の3)

ルールを守らないとどうなる?

上記の規則を守らないと、行政罰と刑事罰が課さられる場合があります。基本的には下記の事項が多いです。

  • 事業者は、特定申込みに関する表示を、法律に従い適切に行う必要があります。当該表示に不備・不適切があり、これにより消費者が誤認した場合、消費者は当該注文を取り消すことが可能(15条の4)。
  • 通信販売協会会員であると誤認される名称等を利用で30万円以下の罰金
  • 虚偽広告で100万円以下の罰金
  • 不実告知、事実の不告知、威迫で3年以下の懲役又は300万円以下の罰金。
  • 特定申込み(※ネット通販における注文内容を記載した最終確認画面のこと)に対する必要事項の不表示又は虚偽の表示…3年以下の懲役又は300万円以下の罰金
  • 承諾等の通知義務違反は100万円以下の罰金
  • 主務大臣による指示違反は6月以下の懲役又は100万円以下の罰金
  • 報告徴収命令違反、立入検査の妨害は6月以下の懲役又は100万円以下の罰金

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