経営・管理ビザを取得するためにはどうすればいい?【注意すべきポイント4選!】

経営・管理ビザとは「会社役員として働く」場合に必要なビザです。経営管理ビザを取得すると、日本で経営者として活動することができます。

ここ最近、外国人の方で起業したいという人が多く、弊社でも週に数回は経営・管理ビザのご相談があります。非常に人気のビザの一つになります。

しかし、経営・管理ビザの取得要件は非常に細かいため会社を日本で設立したものの、経営・管理ビザを取得することができず、日本に滞在できないリスクもあります。また、取得できたとしても在留期間が1年以下になることも非常に多く、長期にわたって日本で安心・安全に暮らしていくには難しいのが現状です。

今回は、経営・管理ビザの取得要件や注意ポイントを解説いたします。3年以上の長期の在留期間を獲得するために参考にしてください。

1.経営・管理ビザでできること

基本的に在留資格には「在留資格該当性」が各在留資格ごとに設定されています。簡単にいうと、在留資格ごとに「こんな活動ができますよ」というのが法律で定められているわけです。

経営・管理ビザは出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という)下記のようになっています。

本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動(この表の法律・会計業務の項の下欄に掲げる資格を有しなければ法律上行うことができないこととされている事業の経営又は管理に従事する活動を除く。)

入管ホームページより

端的に言えば、会社の経営者としての活動が認められていることになります。

なお、会社の経営者としての活動だけでなく、現場作業も、それが経営者としての活動に付随するものであれば資格外活動にはなりません。ただ、1日8時間労働のうち、5時間以上現場作業をしているケースだと付随する活動とは言えないので注意が必要です。

2 経営・管理ビザの取得要件

経営・管理ビザを取得するためには、法律で決まっている要件を満たす必要があります。取得要件(専門用語でいうと「上陸許可基準適合性」)は、次の通りになります。

申請人が次のいずれにも該当していること。

  • 一 申請に係る事業を営むための事業所が本邦に存在すること。ただし、当該事業が開始されていない場合にあっては、当該事業を営むための事業所として使用する施設が本邦に確保されていること。
  • 二 申請に係る事業の規模が次のいずれかに該当していること。
    • イ その経営又は管理に従事する者以外に本邦に居住する二人以上の常勤の職員(法別表第一の上欄の在留資格をもって在留する者を除く。)が従事して営まれるものであること。
    • ロ 資本金の額又は出資の総額が五百万円以上であること。
    • ハ イ又はロに準ずる規模であると認められるものであること。
  • 三 申請人が事業の管理に従事しようとする場合は、事業の経営又は管理について三年以上の経験(大学院において経営又は管理に係る科目を専攻した期間を含む。)を有し、かつ、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。

上記が経営・管理ビザの要件になってきます。順番に確認してきましょう。

出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令

一 事業を営むための事業所が日本に存在すること。

事業を行う事業所が日本にあることが要件になっております。これは当たり前のようですが、実際の要件はこれだけではありません。

まず、事業所を借りる場合にはその法人名義で、かつ、使用目的を事業用として契約する必要があります。自分の個人名義では事務所とは認められません。また、最近流行りの「バーチャルオフィス」や個室が確保されていない「レンタルオフィス」も事業所として認められません。

さらに、個人所有の物件でも、個人の自宅でも、事業所としての場所が確保されていないと、事業所とは認められません。たとえば、登記簿上の本店は個人の自宅だが、支店として事業所を契約していたり、自宅を事務所として使用しているが、会社事務所と住居部分の入り口は別になっているケースでは事務所として認められます。

もちろん、事務所には事業に必要な物品、たとえば、パソコンやプリンター、鍵付きロッカー、電話機、机、事務所名の表札などは事前に準備が必要になります。

これらのルールは日本標準産業分類一般原則総務省を参照していると言われています。

二 申請に係る事業の規模が次のいずれかに該当していること

ここでの要件は、①従業員を2名以上雇用する、②資本金が500万円以上のどちらかを満たす必要があります。ただ、一般的には②資本金が500万円以上であることをお勧めしてます。事業の最初から2人の従業員を雇用するのはほとんどお勧めしていません。

理由としては、事業の初期段階で従業員2名に対して、安定して給与を支給できないと判断されることが非常に多いからです。これは、法律上の要件には特段記載されていませんが、入管が保有する審査要領の中で、会社の安定した継続性が確認されるためです。ちなみに、経営・管理ビザの在留期間を更新する際に、債務超過(赤字会社)だと在留期限が1年になったり、最悪、不許可になる可能性もあるので注意しましょう。

たとえば、請負などで初年度から数千万円の売り上げが見込める場合などであれば、①の要件で申請するのもありですが、それであれば「資本金500万円は簡単に確保できるよね?」と思われてしまいます。

なお、専門的な話になるのですが、新しい会社を設立して、経営・管理ビザを取得する場合、①会社設立・登記(司法書士)→②法人名義の事務所契約→③経営・管理ビザの申請になるのですが、登記の際の資本金の振り込んだことを証明する資料は金500万円だけが存在すれば登記は通るのですが、経営・管理ビザ申請の場合は「金500万円をどうやって集めたか?」まで確認されます。これは、見せ金やマネーロンダリングの阻止が目的にあります。資金の出所を疎明しなければ、経営・管理ビザの取得は難しいです。

三 申請人が事業の管理に従事するときは三年以上の職務経験

1.経営・管理ビザでできることの中に「事業の管理に従事しようとする」という文言がありました。事業の経営ではなく、事業の管理に従事する場合には、三年以上の職務経験(大学などでその分野を勉強していた期間を含む)と日本人の一般的収入以上の年収が必要になります。

「事業の管理」とはどのような業務なのか説明すると、入管の審査要領には、事業を営む企業等において組織を指揮・監督する立場にあるもの、例えば、部長・課長・工場長・支店長などがこれに該当します。事業の経営者は社長や取締役、監査役になるので、現場監督者と考えればわかりやすいですね。

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